2020/04/25 12:04

藁(わら)細工は、農業の中でも主に稲作とともに発展してきました。

「藁(わら)」とは、稲を刈り、お米を取った後に残る茎の部分を乾燥させたものです。稲作で必ず出る「わら」は、日本文化の形成には欠かせない素材でした。


わらは通気性が良く、保温性・緩衝性も兼ね備えています。昔は屋根に使われることもあり、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができました。屋根だけではなく、壁に強度を持たせるために壁土に混ぜ込むこともありました。他にも牛の飼料になったり、燃やせば燃料として使用することもできます。


雪の降る東北地方では、雪道を沈まずに歩けるように履くかんじきや雪よけの蓑(みの)が作られていました。かんじきを着用することで、厚く積もった雪の上を沈まずに歩くことができたり、山のような斜面でもすべりづらくするのです。


また、丸森では稲作とともに養蚕が住民の暮らしを支える一大産業でした。養蚕に使う藁蔟(わらまぶし)という、蚕が繭玉を作るための仕切りが並んでいる道具をわらで作っていたとも言われています。





作り手の佐藤さんは、「春の農業にはわらで作った縄が欠かせないし、茹でた大豆を入れて納豆を作っていた。布団の中に入れたわら布団で寝ると暖かかったのですよ。小さいころは、わらが生活に不可欠だった。」と話します。



住む場所から養蚕などの産業まで、人々の生活の幅広い部分に入り込んでいたわら細工。昔の人々は稲作でとれたわらを無駄にせず、部分ごとに合ったものをつくり過ごしてきました。


しかし現在では稲作も機械化が進み、収穫時にわらを細かく裁断してしまうため、わら細工へと加工できるような長いわらを手に入れること自体が困難になっています。

そのため、丸森ではできるだけ地域で育てたわらを使って制作できるよう、長いわらを取るためのわらを育てる田んぼや、知り合いの農家から分けてもらったりと、作り手さんがそれぞれ工夫をして、入手しています。


生活のどうぐとしてのわら細工だけではなく、お正月のしめ飾り、鶴や亀などの長寿を願う飾りものなど、生活を豊かにする願いの込められた雑貨たちも同時につくられていました。


今でも、宮城県南の神社の多くに丸森の作り手さんが制作したしめ縄が多く飾られています。



昔と暮らしのスタイルは変わり、鍋敷きをひとつとっても安い代用品はたくさんありますが、わら細工が人々と歩んできた文化やストーリーも含めて味わってみてください。

シンプルな中にある奥深い人々の営みが感じられると思います。



詳しくは下記のURLからご覧ください。

https://maru.nekiwa.com/categories/2310645


コロナが落ちつくまでは、商品数が少ないかもしれませんが、楽しみに待っていてください!




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